リハビリで成果を出すために必要なこと

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リハビリを一生懸命やっているけど、なかなか成果が出てこないと感じていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
精一杯リハビリに取り組んでいても、思ったような成果が出ないと非常にもどかしいですよね。
時に心が折れてしまうこともあるではないでしょうか。

そんな方々に向けて、リハビリで成果を出すために必要なことについて紹介していきたいと思います。

ご興味のある方は最後まで読んでみてください。

目次

1、多くの方が勘違いしてること
2、効果を出すための3つのポイント
(1)運動量が重要
(2)継続が重要
(3)目標が重要
3、改善のベースとなるチャレンジの気持ち

内容

1、多くの方が勘違いしてること

普段、多くの方のリハビリに関わっていると、
リハビリの成果が出ないと相談を受けることが時々あります。

リハビリの成果が出ないのには必ずその要因があります。
要因もその方によって異なるのですが、話を聞いていくと多くの方に共通した考えが見えてきました。

それは、リハビリをすれば
すぐに結果が出る
病気の前のような身体に戻れる
という考えを強く持っている方は成果が出ないと悩まれる方が多い印象にあります。


大前提として、リハビリは不確実性の高いものです。
つまり、リハビリをすれば必ず良くなるということが言えないということです。

リハビリは病気や加齢による身体機能低下等により、
今まで出来ていた活動ができなくなってしまったり、活動に制限がかかってしまった状態から、
抜け出すための手段の1つになります。

ただし、残念ながらリハビリをしたからと言って必ず成果が出るとは言い切れないのが現状です。
現在でも研究が進み、比較的効果の実証されているリハビリ方法も出てきていますが、それでも万能ではありません。

また、成果が出るのにも時間がかかることが多いです。
一般的に成果が出るのに数か月と聞いたこともあるかもしれませんが、
その方の病気の状態、もともとの身体能力、年齢などの要因によっても必要なリハビリ期間が変わってきます。

そして、病気や加齢によって身体に何かしらの障害出てきてしまうと、100%元の状態に戻ることは出来ません。むしろ、新たな障害が現れてしまうこともあります。
そのため、病気にならないため、病気になっても障害の程度を小さくするため、または加齢による身体障害を減らすために予防や健康づくりが重要になってきます。

2、効果を出すための3つのポイント

ここまでの説明を読んでいると「リハビリをしても成果が出ないのか」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
リハビリを行うことで成果を出し、出来なかった動作が出来るようになった方も多くいらっしゃいます。

ここからはリハビリで成果を出すために重要だと思う3つのポイントについて解説していきます。

(1)運動量が重要

1つ目は、運動量です。
リハビリの運動量を確保することがとても重要です。
ある研究では、人間は動作の習得には数百万回という練習量が必要だと言われています。

リハビリの考え方の一つに「運動学習」というものがあります。
人間の脳は様々な動作のプログラムが蓄積されていて、瞬時に適切なプログラムを引き出すことによって
スムーズで効率的な動作を行うことができるようになります。


脳に動作のプログラムを蓄積するためには、相当な量の反復練習が必要です。

また、脳はとても単純で正しい動作だけでなく、間違った動作も脳に記憶してしまいます。
そのため、間違った動作を知らず知らずのうちに繰り返していて、
間違ったプログラムを脳に記憶してしまっていることもあります。


特に病気になり、今までの身体の動きができない状態で、生活の中で身体を動かせば間違った動作を脳に覚えさせることになりますし、
かといって、動かないでいるとこれまで蓄積してきたプログラムが薄れてしまい、正しい動作を行うことができなくなってしまいます。


つまり、正しい動作の量を増やし、間違った動作を減らすことができることが
リハビリで効果を出すことにつながります。

(2)継続が重要

2つ目は継続です。
リハビリはなかなか目に見えた成果が出てこなくて、途中で投げ出したくなる方も多くいます。
しかし、リハビリで本当に成果を出すためには時間がかかります。
必要な時間は人によって異なりますが、成果を感じられるまで数か月~1年以上かかる方もいます


リハビリを継続することはとても難しいです。
継続するためのポイントは
・自分にとって価値の高い具体的な目標設定
・実施しやすいリハビリ計画
・小さな変化を感じ取る

です。
目標については後ほど詳しく紹介します。


(実施しやすいリハビリ計画)
練習量を増やすことがリハビリの効果を出すために重要な要素ですが、
1日の練習の量を増やすと続かなくなってしまうことがよくあります。

1日の練習量は少なくても実施の頻度を増やすことで必要な練習量を確保することができます。

出来れば、リハビリが毎日できる量と計画を立てて実施することが重要です。

まずはリハビリの時間を決めて実施してみてください。
例えば、朝起きたら運動をする、食事の後に運動をするなど、一日の生活スケージュールと紐づけると実施しやすくなることがあります。
もちろん、同じ運動ではなく朝は足の運動、食後は手の運動など種類を変えて実施しても良いと思います。

無理なく実施できるリハビリ計画を立てて実施してみてください。


(小さな変化を感じ取る)
リハビリで身体の変化をなかなか感じ取ることができない方もいらっしゃるかと思います。
実際にリハビリによって起こる身体の変化は、運動量や運動の継続期間、身体の状態など様々な要因によって異なります。

変化が感じ取れないと続けていても意味がないのでは?と考えてしまう方もいることでしょう。

そんなときは小さな変化を感じることに意識を向けてください。

1回目よりも2回目、昨日よりも今日、先週よりも今週、先月よりも今月など
過去の自分の動作と比較して、どんな違いがあるのかを考えてみてください。
きっと違いはあるはずです。

良い変化が起きていれば運動を継続することをおすすめします。
思った変化と異なれば運動の内容を変更することをおすすめします。

ここについてはご自身で判断が難しいことも多いかと思いますので、
リハビリの専門家に確認しながら進めることが必要だと思います。

過去の自分と比べて、小さな変化を感じ取ることに意識をしてみてください。

(3)目標が重要

3つ目は「目標」です。
リハビリで効果を出すためには目標が重要になります。
特に「自分にとって価値の高い具体的な目標」が必要になります。

「自分にとって価値の高い目標」=将来、自分が求める状態に近い目標
「具体的な目標」=自分自身だけでなく、他の人にイメージしやすい目標


これまで多くの方に関わってきて、
この「自分にとって価値の高い具体的な目標」を掲げていた方はリハビリを意欲的に取り組まれ、成果がみるみると出ていました。
しかし、そのような方は多くはありません。
自分にとって価値の高い具体的な目標」をしっかりと掲げている方は少ない印象です。

そして、この目標を立てることは簡単ではありません。
そのため、ここについてもリハビリの専門家と相談しながら決めていくことをおすすめします。
ここで間違っていただきたくないのは、リハビリの専門家と相談はするけれど、最終的に決めるのは自分だということです。

他人任せの目標設定はうまく行かないことが多くあります。
ご自身が納得できる目標になるまで、考えてみましょう。

3、改善のベースとなるチャレンジの気持ち

リハビリを成果を出すためにはチャレンジ精神が大事です。
「結局、精神論かよ!」という声が聞こえてきそうですが、これもとても大事なことです。

これまで多くの方と関わってきて、中には初めから
・自分は何もできないと思っている方
・こんなことをしても意味がないと思っている方

などやってみる前からご自身の考えだけで決めつけている方がいらっしゃいます。

非常にもったいないことです。
やる前から改善するチャンスを自ら捨てているかもしれません。

もちろん、これまで色々な苦労をされてきて、リハビリに対し期待が持てなくなってしまっているのかもしれません。
しかし、リハビリの研究は日に日に進んでいますし、リハビリの専門家らも日々勉強をしています。
加えて、リハビリの専門家も人により得意・不得意があります。

リハビリ分野はまだ成長段階です。
ご自身の身体に合ったリハビリ方法が見つかるかもしれません。
チャレンジする気持ちを捨てずにリハビリに取り組んでいただけたらと思います。

まとめ

今回は、「リハビリで成果を出すために必要なこと」について紹介してきました。
正直、リハビリですぐに成果が出ることは少ないと思いますし、
病気の前の頃の100%の自分に戻ることは出来ません。
しかし、ここでお伝えしたことを中心にリハビリを取り組んでいただけたら、成果も出てくると思います。

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