―― エアコンを使わない“がんばり”が、命のリスクになることもあります ――
「室内にいたのに熱中症」…そのリスク、ご存じですか?
外に出ないから安心、ではありません。
実は、高齢者の熱中症の多くは“室内”で発生しています。
特に「暑さを我慢する」「電気代が気になる」といった理由で
エアコンをつけない習慣が、命に関わる危険を招くこともあるのです。
✅ 1. 室温と湿度を整える
熱中症を防ぐには、「室温28℃以下」「湿度60%以下」を目安にしましょう。
ただし、温度・湿度は体感とずれることもあるため、温湿度計を設置するのがおすすめです。
エアコン+扇風機で空気を循環させると、冷えすぎも防げます。
✅ 2. 日差しを防ぐ
遮光カーテン、すだれなどを使って、窓からの直射日光を遮る工夫をしましょう。
特に南向きや西向きの部屋では、午後からの温度上昇が大きくなります。
これだけでも室温が2〜3℃下がることもあります。
✅ 3. 風の通り道をつくる
扇風機・換気扇・窓の開閉で風の流れをつくることも有効です。
ただし、外気温が高い時間帯(13時〜16時)は窓を開けない方が良い場合もあります。
気温に応じて、「換気」と「遮断」を使い分けましょう。
🔁 現場の実感:暑さを我慢する方こそ注意を
私たちが支援する現場でも、「昔はエアコンなんてなかったから」という理由で
冷房を避ける方が少なくありません。
しかし、高齢になると体温調整が難しくなるため、昔と同じでは通用しません。
意識と環境を変えることが、命を守り、介護予防にもつながります。
✅ まとめ:住まいの工夫が命を守る
1. 室温28℃・湿度60%以下を目安に冷房調整
2. 遮光カーテンやすだれで直射日光をカット
3. 扇風機や窓開けで風通しを工夫する
無理な節電よりも、「命を守る環境づくり」を優先しましょう。
🖊 発信者について
この記事は、介護予防を専門とするリハビリ職(理学療法士)が、
高齢者の住まいや生活に即した熱中症対策を、実践的な視点で解説しています。
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