短期集中通所型サービス(通所C)とは

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介護予防事業の中の1つである短期集中通所型サービス(以下、通所C)について
実際に関わっている中で分かってきたことや感じていることを含め、紹介していきます。
この記事は

  • 通所Cについて知りたい方
  • 今後、通所Cに関わっていきたい方
  • 現在、通所Cに関わっている方

を想定し、可能な限り有益な情報をお伝えできるよう作成します。
興味のある方は最後までご覧ください。

内容

通所Cとは

正式名称は「短期集中通所型サービス」というものになり、
総合事業の中の1つの事業となります。
つまり、各自治体により管轄、管理されている事業であり、
実際に実施している事業者は自治体から事業委託という形で実施しているものになります。

通所Cはその名の通り、短期間で集中したサービス提供をするという特徴があります。
一般的には「概ね3ヶ月間という短期間で、専門職が関わるサービス」とされています。

また、通所系のサービスになるため、施設に通って利用するサービスになります。

簡単にイメージするとすれば
利用期間が決まっているデイサービス」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

ただし、デイサービスとは利用目的が異なります。

通所Cの利用目的

サービスはデイサービスと似ていますが、利用目的が異なります。
通所Cの主な利用目的は「自立した生活を継続できるようになる」というものです。

その目的を達成するために各利用者さんの身体状況や生活状況を把握したうえで
その方にとって必要なアプローチを実施していくことになります。

そのため、
筋力強化トレーニング歩行練習などの運動だけでなく、
栄養講座転倒予防講座などの講座を実施することもあります。
また、利用者さん同士の交流を盛んにするための活動をすることもあります。
そして、通所C卒業後も介護予防のための取り組みを継続できるような計画を各利用者さんと一緒に立てて行くことが必要です

通所Cでの実施内容の例

通所Cでの実施内容が気になる方は多くいらっしゃると思いますので
これまで私が関わった通所Cの実施内容や他の事業者が取り組む通所Cの実施内容をご紹介したいと思います。

過去に私が関わった通所Cの実施内容の例

私がこれまでに関わった通所Cで実施した内容の一例を紹介します。

  • 介護予防体操

自治体独自の介護予防体操を実施し、利用者さんがご自身でもご自宅などでも実施できるように実施方法や運動のポイントなどを伝えながら、体操を実施しています。

  • 集団体操

集団でストレッチや軽運動を椅子座位や立位など様々なスタイルで実施します。簡易的なトレーニング道具を使用して運動することもあります。

  • 栄養指導

管理栄養士さんにご協力いただき、介護予防のための食事について講義を実施しました。宿題などを提示し、実生活でも講義の内容が反映できるような仕掛けを実施しています。

  • 社会参加のための情報提供

生活支援コーディネーターさんにご協力いただき、近隣の社会資源についての情報共有を実施しました。必要に応じて面談を実施し、より具体的な相談を受けることもできます。

  • 個人面談

定期的に各利用者さんに個人面談を実施しました。通所C終了に向けてのセルフマネジメント力をつけることが目的として、目標の設定や具体的な日々の取り組みの紹介、個別の運動メニューの作成などを実施します。

  • 歩行練習

直線歩行だけでなく、実生活を想定し障害物などを置いた応用歩行練習を実施しました。転倒予防を目的として、様々な歩行能力を維持、改善できるような運動を実施します。

その他にも利用者さんの要望に合わせて実施内容を変更することもあります。

他の事業者が取り組む通所Cの実施内容の例

通所Cを実施している事業所では以下の内容を実施しているところもあります。

  • 筋力強化トレーニング:マシンやトレーニング道具を使い、筋力強化を図る
  • 集団体操:ストレッチや軽運動などを集団で実施する
  • 口腔体操:口腔機能の維持、改善のための運動を実施する

今後の展望

これまで通所Cに関わってきて感じることについて紹介します。

通所Cを利用している方で身体機能の変化や生活の変化が現れている方が多くいます。
これはリハビリ専門職が一人一人の課題や目標を把握し、それぞれに必要なアプローチを実施しているからだと思います。

利用期間も短期間のため、より具体的な目標が設定できることも要因にあるのだろうと感じます。
そして、これまでに関わった多くの方が通所Cを終えると何かしらの習慣や行動のきっかけを得ている方が多くいました。

通所Cを終えた後にその効果を継続することが出来ないという事例もあることも事実ですが、セルフマネジメントの要素を入れた実施内容にすることで、この点をカバーすることが出来ると考えています。

今後は国民の介護予防を進める上で通所Cは重要な役割があるように思います。
出来るだけ早期にフレイルに該当する方、その危険性がある方を見つけ出し、通所Cにつなげていくことが必要になると思います。

まとめ

今回は、短期集中通所型サービス(通所C)事業について紹介しました。
通所Cについて知りたい方、通所Cに関わっている方、通所Cに関わりたいと考えている方の参考になる情報が伝えられていたら嬉しいです。
通所Cは利用者さんの変化を感じることができる事業であり、関わる方にとっても刺激的な事業ですし、何よりも利用者さんが元気になる事業です。
今後も通所Cが各地域で発展し普及していくことを望みます。

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