最近、テレビや雑誌などでも少しずつ「フレイル」という言葉を目にするようになってきました。
特に医療や介護、福祉に関する情報を取り扱う場面で、目にする機会が増えています。
リハビリ業界でも1つのテーマになるほど、非常に話題になってきています。
今回の記事では、「フレイル」という言葉を初めて聞いたという方や
言葉は聞いたことはあるけれどよくわからないという方に向けて、
「フレイル」について解説していきたいと思います。
ご興味のある方は、最後までお読みいただけたらと思います。
目次
1、フレイルとは
2、3つのフレイル
(1)身体的フレイル
(2)精神・心理的フレイル
(3)社会的フレイル
3、フレイルはチャンス?
内容
1、フレイルとは
フレイルとは、「Frailty(フレイルティ)=虚弱」という言葉から作られた造語と言われています。
つまりフレイルとは健康な状態から衰えた状態ということを指します。
しかし、衰えた状態と言っても今すぐに介護が必要な状態というわけではありません。
いわばフレイルとは、健康な状態と介護が必要な状態(要介護状態)の中間の状態ということが言えます。
フレイルの判定には、基本チェックリストという評価を使い、判定することができます。
多くの地域では65歳以上になると役所や地域包括支援センターで受けることができます。
気になる方はお近くの行政機関にご相談ください。
2、3つのフレイル
フレイルには身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルという3つの種類があります。
それぞれの要因は異なりますが、
お互いに影響をし合っているとも言われています。
また1つでも該当すればフレイル状態ということになり、早期の対処が必要になります。
(1)身体的フレイル
身体的フレイルとは、筋力や体力などの身体機能の衰えがある状態のことを指します。
似たようなものにロコモティブシンドロームやサルコペニアなどがあります。
細かく定義は異なりますが、身体的フレイルがそれらを含めた総称と考えていただいても良いと思います。
評価項目は、以下の5つとなっています。
上記の評価において、3つ以上該当する方は「身体的フレイル」、1つ以上該当する方は「 身体的 フレイル予備軍(プレフレイル)」となります。
(2)精神・心理的フレイル
精神・心理的フレイルとは、認知機能の低下やうつ状態になりかけている状態を指します。
コグニティブフレイルと呼ばれることもあり、判定には軽度認知障害(MCI)の定義を用いられることが多いのが現状です。
軽度認知障害(MCI)の定義は以下の通りです。
- 認知機能の低下
- 認知機能低下の訴え
- 認知症ではない
- 日常生活が自立している
具体的な評価基準は今のところありません。
最近、物忘れが多くなったと実感したり、家族などの周囲の人からそのように言われることがあるなどの心当たりのある方は医療機関に相談をされると良いと思います。
現在では「物忘れ外来」という専門の医療機関もあります。
お近くの専門機関を探してみてください。
(3)社会的フレイル
社会的フレイルとは、閉じこもりなどにより社会との関わりが希薄になってきている状態のことを指します。
3つのフレイルの中で一番イメージがしにくいと言われていますが、
社会とのつながりはフレイル予防、介護予防でとても重要な要素とも言われているため、
無視できない要素です。
社会的フレイルの診断基準は以下の通りです。
上記の評価において、2つ以上該当する方は「社会的フレイル」、1つ以上該当する方は「 社会的 フレイル予備軍(プレフレイル)」となります。
3、フレイルはチャンス?
フレイルは健康な状態から要介護状態に近づいた状態だということは分かっていただけたかと思います。
フレイルの状態に気づかず、もしくは気づいていても何も対策をしなければ
どんどん要介護状態に近づき、しまいには要介護状態になってしまいます。
しかし、フレイル状態はチャンスでもあります。
フレイル状態の方が適切に対策を行うことで健康な状態に戻ることができるのです。
つまり、フレイル状態に気づくことができ、適切な対策をすることで
要介護状態に慣れずに、むしろ健康な状態へ戻ることができるわけです。
フレイルは身体的フレイル、精神・心理的フレイル、社会的フレイルの3つの種類がありました。
それぞれで適切な対処方法も異なりますが、その対策にしっかりと取り組むことができれば
もう一度健康な状態を取り戻すことができるのです。
いわばフレイルは健康な状態に戻るチャンス期間とも言えます。
まとめ
今回はフレイルについて解説してきました。
フレイルとは健康な状態と要介護状態の中間の状態であり、適切な対策をすることで健康な状態に戻ることができるのです。
そのためにも大切なことがあります。それは、
- 自分自身がフレイルかどうかを知る
- 自分自身がどの種類のフレイルに当てはまるかを知る
- 適切な対処方法に取り組む
ということです。
これを理解しておくことで、健康で楽しい日々を過ごすことができると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になればうれしいです。
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