―― 熱中症を防ぎ、介護予防にもつながる毎日の習慣づくり ――
暑さが厳しい日が続いています
本日も一部地域で熱中症警戒アラートが発表されるなど、危険な暑さとなっています。
気温や湿度が高い中、特に高齢者の方にとって注意したいのが「水分不足」。
実は、喉が渇いていなくても脱水状態になっていることがあるのをご存じでしょうか?
今回は、リハビリ職としての現場経験をもとに、正しい水分の摂り方とタイミングをお伝えします。
✅ なぜ高齢者は脱水になりやすいのか?
加齢に伴い、体の中では以下のような変化が起きます:
・喉の渇きを感じにくくなる
・腎機能が低下し、水分を保持しにくくなる
・筋肉量が減り、体に蓄えられる水分も少なくなる
そのため、「喉が渇いてから飲む」では遅く、“意識的な水分補給”が必要です。
✅ いつ、どれくらい飲めばいいの?
目安は1日あたり1.2〜1.5リットル(※持病による制限がある方は医師にご確認ください)。
一度にたくさん飲むよりも、こまめに、分けて飲むことが大切です。
おすすめのタイミングはこちら:
・起床後
・食事の前後
・外出や運動の前後
・入浴前後
・就寝前
💡 リハビリ現場では「動作に合わせて水を飲むタイミングを決める」ことで、習慣化しやすくなります。
✅ 水分補給におすすめ・NGな飲み物
◎ 良い例
- 水・白湯:体への負担が少なく、日常的に摂りやすい
- 麦茶・ほうじ茶:カフェインが少なく、利尿作用も少ない
- 経口補水液(OS-1など):発汗が多い日や軽い脱水時に有効
△ 避けたい例
- 緑茶・コーヒー:カフェインによる利尿作用で逆効果になることも
- アルコール:脱水を促進するため、特にビールは注意が必要
🔁 熱中症とフレイルの関係 ― 介護予防にもつながる水分補給
私たちの現場では、夏の間に活動量が低下し、
・筋力が落ちて転倒・骨折
・入院後の体力低下で介護が必要に
という事例をよく見かけます。
水分不足が引き起こすのは脱水だけではありません。
「体を動かす気力が出ない」「だるさが続く」などの症状が活動量の低下につながり、介護リスクが高まることもあるのです。
✅ まとめ:水分補給のコツを習慣にしよう
1. 喉が渇く前に、こまめに飲む
2. 食事や運動、入浴の前後などタイミングを決める
3. 飲み物の選び方にも注意する
水分補給は「今できる熱中症予防」であり、「将来の健康づくりの第一歩」でもあります。
🖊 発信者について
この記事は、介護予防を専門とするリハビリ職(理学療法士)が、
高齢者支援の現場経験をもとに、実践的かつ継続しやすい視点で執筆しています。
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